長期低排出発展戦略(LT-LEDS)の草案を閣議承認

(タイ)

バンコク発

2021年10月28日

タイ政府は10月19日、パリ協定の目標に沿って策定したタイの長期低排出発展戦略(LT-LEDS)の草案を閣議で承認した(閣議発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今後、天然資源環境省天然資源環境政策計画室が国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局にLT-LEDSを提出する予定。パリ協定締約国は、長期的な温室効果ガス(GHG)の低排出型の発展戦略であるLT-LEDSを作成し、通報するよう努力すべきとされている(経済産業省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

LT-LEDS草案は公開されていないが、政府発表によると、GHG排出にかかる目標と関連対策措置を盛り込んでいる。2030年をGHG排出量のピークと定め、21世紀後半の可能な限り早い時期にGHG排出量を正味ゼロにする計画となっている。また、2065年までにカーボンニュートラルを達成するという目標も含む。

政府発表によると、目標を達成するため、エネルギーや輸送分野などのインフラ開発を変革しつつ、企業が高水準の技術を採用するなど、ハード(インフラ)とソフト(技術)の両面で排出量を削減することがタイの急務という。GHG排出量が少なく環境に優しいビジネスを2050年までに実現する中で、関連分野への投資機会や付加価値が生じることが期待される。こうした経済へのプラス効果により、GHG排出量削減に伴うエネルギー費用の上昇などのLT-LEDSの国内経済へのマイナス影響が軽減されるという。

また、GHGの排出抑制に取り組むことで、エネルギー効率の向上、1人当たり二酸化炭素排出量の削減、PM2.5の減少など、付随的な恩恵も得られる。内資・外資を問わず、あらゆる産業分野での協力と支援があれば、タイは最終的に低炭素国家となることを達成できるとしている。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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