ギニアで国軍によるクーデター発生

(ギニア、アフリカ)

アビジャン発

2021年09月07日

ギニアの首都コナクリで9月5日早朝、ママディ・ドゥンボウヤ大佐が率いる国軍の特殊部隊がアルファ・コンデ大統領を自宅で拘束し、大統領解任と政府の解散、憲法の停止を宣言した。翌6日早朝には軍はフォファナ首相をはじめとする主要閣僚や国会、司法の長らを招集して緊急会議を開催し、新政府の樹立に向けた協議を行うとともに、コンデ政権によって拘禁された政治犯を解放し、国民の融和を呼びかけた。クーデター直後に一時封鎖した国境も、経済への影響を避けるため、現在は陸空とも再開している。

ギニアは、西アフリカ沿岸部に面した人口約1,300万人の国で、20余りの民族の共通言語としてフランス語が使われている。世界のボーキサイト埋蔵量の約3分の1を保有するなど天然鉱物資源に恵まれる一方、経済開発は進んでおらず、国民の4分の3が農業に従事している。コンデ大統領は2010年の就任から2期10年の長期政権を維持し、2020年3月には憲法を修正して、それまでの3選を禁じる規定を廃して同年10月の大統領選で他民族系の有力野党候補を抑えて3選を果たした。これに国民の間で大統領の多選批判が高まり、大統領選を契機に民族間の対立も強まっていた。

国連のグテーレス事務総長や、アフリカ連合(AU)のムーサ・ファキ委員長、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の議長を務めるガーナのナナ・アクフォ=アド大統領は、今回のクーデターに対していずれも緊急声明を発し、武力による権力掌握を批判している。

(水野大輔)

(ギニア、アフリカ)

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