2020年の新車販売が伸び悩む、2021年は回復の見込み
(コートジボワール)
アビジャン発
2021年09月01日
コートジボワール国内の自動車販売代理店で構成される自動車機器設備業界団体(GIPAME)によると、2020年の新車販売台数は前年よりわずかに127台多い1万3,523台(0.95%増)だった。過去数年間、販売台数は年率10%を超えて成長していたが、2020年は伸び悩んだ。一方、2021年は上半期までに9,337台に達し、このままペースを維持すれば前年を大きく上回ると予想される。
業界関係者によると、2020年は、大統領選挙で与野党が対立し選挙期間中に多数の死者を出したことや新型コロナウイルス感染症の拡大などが人々の大きな懸念となり、販売台数が落ち込んだ。一方、大統領選が無事に終わり、新型コロナウイルスに対する人々の心理的影響も比較的落ち着いてきたことが、2021年の消費の急回復につながっているのではないかとみられている。
日本のブランドがシェア過半数を維持するも、中国が急拡大
2020年の市場占有率をみると、国別では日本のブランドが依然トップで全体の57.1%を占め、前年の54.7%から2.4ポイントシェアを拡大させた。続いて、欧州(シェア:17.5%)、中国(12.1%)、韓国(8.6%)の順になっている。市場が伸び悩む中、中国ブランドは台数ベースで前年比18.5%増と顕著な伸びをみせている。業界関係者によると、低価格モデルが市場に投入されたことで、中古車を主流としていたタクシー業界が中国ブランドの低価格車に移行しており、それが新車販売増に表れたとされる。
メーカー別では、スズキが販売台数を伸ばし、2,349台(シェア:17.4%)とトヨタを抜いて初めて首位になった。これに対して、2位トヨタは1,854台でシェアを前年の15.3%から13.7%に縮小させた。続いて、三菱自動車1,234台(9.1%)、日産1,113台(8.2%)、ルノー973台(7.2%)、現代674台(5.0%)となり、日本車が上位を占めた。
全体として日本勢が優勢の市場構造に変わりはないが、新型コロナウイルスによる国際物流の乱れや半導体不足の影響など日本製品の供給不安も残っており、2021年下半期の動向が注目される。
(水野大輔)
(コートジボワール)
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