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(チリ)
米州課
2021年09月30日
チリの風力発電事業者コルブン(Colbún)は9月21日、北部アントファガスタ州に発電容量778メガワットの風力発電施設を建設することを発表した。完成すれば中南米最大規模の陸上風力発電施設となる。投資額は8億5,000万ドル。この施設には140の風力発電機を設置し、年間では2,400ギガワットの発電能力を有する見込みだ。これは70万世帯以上の消費電力に相当する。また、稼働後は年間120万トンの二酸化炭素(CO2)排出削減に貢献し、州内の風力発電能力を70%引き上げると推計されている。2021年中に着工し、2024年の運用開始を予定している。
発表の場に同席したフアン・カルロス・ジョベト鉱業兼エネルギー相は、今回のプロジェクトは再生可能エネルギーに関する政府のビジョンを確固たるものにすると述べた。また、アントファガスタ州の大統領府特使であるダニエル・アグスト氏は、同プロジェクトにより、建設の過程で1,200の雇用が生まれるだろうと述べ、州内の経済活性化についても評価した。
チリ北部は世界有数の日射量を誇り、太陽光発電が盛んだが、沿岸部は十分な風力もあるため、風力発電にも適している。今回の建設地も太平洋に近い地域が選ばれている。
同国の電源構成で風力発電のシェアは2015年は2.9%だったが、2020年は7.1%と少しずつだがシェアを伸ばしている(特集:グリーン成長を巡る世界のビジネス動向無料)。今般の新たな風力発電施設の建設により、さらにシェアを拡大していくことが期待される。
(佐藤輝美)
(チリ)
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