経済・エネルギー省、オペル工場内の蓄電池製造への助成を発表

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2021年09月09日

ドイツ経済・エネルギー省は9月2日、オートモーティブ・セル・カンパニー(ACC)の蓄電池工場建設に対する総額4億3,680万ユーロ規模の助成を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同蓄電池工場は、自動車大手のオペル、ステランティスおよびフランス蓄電池メーカーのサフトの3社によるジョイントベンチャーが、ラインラント・プファルツ州カイザースラウテルン市にあるオペル工場内で建設するもの。また、同プロジェクトは「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」()の枠組みで実施される。

今後、2023年からそれぞれ8ギガワット時の生産能力を持つ3つの設備が建設され、2025年から蓄電池の生産が開始される予定。ACCに参加している3社は同プロジェクトに20億ユーロ以上投資し、生産・開発分野で約2,000人の雇用を創出する。また、これにより、これまで内燃機関やその部品の生産が中心だった地域に、Eモビリティ(注)への転換のための長期的な展望が生まれることになる。

今回の助成の発表式に出席したペーター・アルトマイヤー経済・エネルギー相は「われわれは最も革新的で持続可能かつ効率的な蓄電池が、ドイツや欧州で生産されることを望んでいる。カイザースラウテルンにおけるACCの蓄電池工場はその中心的なものだ」と述べた。また、「新たな工場では年間約50万台分の電気自動車の蓄電池が持続可能に生産される見込みで、ドイツ自動車産業が持続可能な駆動システムへ変革するためのマイルストーンになる」と強調した。

なお、経済・エネルギー省は2019年初めから、欧州委員会およびEU加盟国のうち11カ国と共同で蓄電池分野の研究および投資に関する2つの大規模なIPCEIプロジェクトを進めており、革新的な蓄電池の生産拡大を助成するため、最大30億ユーロを拠出する。ドイツでは、両プロジェクトによって15企業が助成を受け、その結果、合計で130億ユーロ以上の投資が刺激され、ドイツ全土にわたって約1万人の雇用が環境に優しい付加価値創造の分野で創出されると見込まれている。

(注)電気を動力とする移動手段もしくは自動車のこと。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

(ドイツ)

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