ドイツ西部最大級のテック系スタートアップイベント、リアル会場で開催
(ドイツ、フランス、欧州)
デュッセルドルフ発
2021年09月16日
ドイツ最大の経済規模を持つノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州デュッセルドルフ市で、9月9日に2年ぶりとなるテック系スタートアップイベント「Digital Demoday 2021」が開催された。国内外の約150社のスタートアップやスタートアップ・アクセラレーターなどが出展したほか、ベンチャーキャピタルなどが会場で開催されたカンファレンスで講演した。講演の様子はオンラインでも配信された。2020年春の新型コロナウイルス感染拡大以降、大規模なスタートアップイベントがリアル会場で開催されたのは初めて。
デュッセルドルフ見本市会場では8月27日~9月4日、キャンピングカーの国際見本市キャラバン・サロンが今年初めてリアル形式で開催されたことを皮切りに、感染対策を講じつつもリアルのイベントが順次再開されている。
今回のイベントでは、国外からはフランスやベルギー、チェコ、オーストリアなどの周辺国から、工場の遠隔メンテナンスや遠隔医療に使うAR/VR(拡張現実/仮想現実)システムや企業向けサイバーセキュリティーソフトなど、BtoB関連技術を開発する30社が出展。このうち数社に目的を聞いたところ、製造業が盛んなドイツ市場参入を目指し、このイベントで潜在的顧客やビジネスパートナーを見つけたいということだった。会場には中国の著名な大学研究機関もテックハントに訪れるなど、国外からの注目も集めた。
会場で行われたスタートアップのピッチコンテストでは、フランスのスタートアップ育成施設「ステーションF(Station F)」に入居している同国のアップテイル(Uptale)が優勝した。昨今、VRを使った工場や医療現場、小売店舗などでの従業員トレーニングが使われ始めているが、同社はスマートフォンで撮影した360度の画像に書き込みを行い、簡単に従業員トレーニング用VR映像を作ることができる。フランスの大手電機メーカーのシュナイダー・エレクトリックや自動車大手プジョーシトロエンなどに採用されている。
次回のDigital Demodayは2022年8月に開催される予定。
(木場亮)
(ドイツ、フランス、欧州)
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