オークランドのロックダウン、1週間後に緩和へ

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年09月14日

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は9月13日、新型コロナウイルスの警報レベルについて、オークランドに課しているレベル4の設定を1週間延長し、9月21日午後11時59分からレベル3に引き下げる方針を発表した。オークランド以外の地域におけるレベル2の設定は維持する。

同国では、オーストラリア・シドニーからもたらされたデルタ型変異株による市中感染が急拡大したため、4段階ある警報レベルを再び最高位に引き上げていた。ただし、感染者のほとんどがオークランドで確認されていることから、現在はオークランドにのみレベル4の制限措置を課している(関連ブラック クイーン ブラック)。

レベル4のオークランドでは、必需品の買い物や運動、医療サービスへのアクセスなど必要不可欠な外出以外は、自宅にとどまる必要がある。スーパーマーケットや薬局、病院、ガソリンスタンドなどの重要なサービスを除き、ビジネス活動は中止する必要があり、可能な場合は在宅勤務への移行が求められる。教育機関や公共施設、レストランやカフェ、ジム、映画館なども閉鎖され、厳格な旅行制限が課されている。なお、政府が認める必須事業に従事し、オークランドとそれ以外の地域の往来が必要な労働者は、過去7日以内の感染検査の受検証明が必要となる。

オークランド以外の地域では、学校や公共施設が再開されるほか、企業やレストランなども営業を再開できる。ただし、屋内ではマスクを着用する必要があり、レストランやショッピングモールを含む屋内施設の収容人数は最大50人(屋外では最大100人)に制限する。また、飲食サービス、医療・美容サービス、運動施設や娯楽施設、冠婚葬祭やコンサートなどのイベント運営者は、顧客の訪問記録の保持が義務付けられる。これら以外の企業や施設も、接触追跡アプリ「NZ COVID Tracer」による移動履歴の記録ができるよう、QRコードを表示したポスターを掲示する必要がある。

なお、警報レベルの設定は9月20日に再度見直しを行う予定で、その際にオークランドのレベル3への移行を確定するとしている。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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