2020年の日系企業登記、企業数は前年比減も出資額は増加

(タイ、日本)

バンコク発

2021年09月08日

タイ商務省事業開発局(DBD)の登記統計によると、2020年にタイで会社設立(新規登記)した日系企業数は233社(前年比37.9%減)、総出資額は同20.8%増の85億4,018万バーツ(約290億円、1バーツ=約3.4円)だった(添付資料表参照)。2021年上半期は76社(前年同期比52.5%減)、32億5,638万バーツ(15.2%増)だった(注1)。

2020年は、設立社数は前年より減っているものの、依然として200社以上の日系企業が新たにタイで登記した。業種別では上位から、「小売り・卸売り」の64社、「事業関連サービス」の42社、「製造業」の30社だった(注2)。

総出資額は前年より20.8%増加し、上位から「製造業」(42億1,787万バーツ)、「小売り・卸売り」(17億9,522万バーツ)、「金融・保険業」(9億903万バーツ)の順に多かった。

出資額が多かった3分野の主要案件は、製造業では、自動車部品製造の工場設立(22億バーツ)、エアバッグ用原糸の工場設立(7億8,000万バーツ)、自動車鉛蓄電池の製造・販売会社の統合(7億8,000万バーツ)などがある。

小売り・卸売りでは、食品の輸入・卸売会社の設立(1億バーツ)、半導体・電子デバイスなどの販売会社の設立(1億バーツ)、産業用電子機器の販売会社(1億バーツ)などがあった。タイでは、外国企業(株式の過半数が外資)が投資奨励などを受けずに、販売会社などのサービス業を行う場合、外国人事業法の規定により、最低資本金1億バーツ以上が必要となるため、必然的に一定規模の事業となる傾向がある。

また、金融・保険業では、資産運用管理サービス会社の設立(8億8,000万バーツ)が挙げられる。

2021年上半期は、企業数では「小売り・卸売り」(18社)、「製造業」(17社)、「事業関連サービス」(12社)の順に多かった。出資額では、「製造業」(18億5,930万バーツ)、「金融・保険」(10億500万バーツ)、「小売り・卸売り」(1億7,830万バーツ)となった。

(注1)2018~2020年の登記データは2021年2月時点、2021年上期のデータは同年8月時点で抽出。抽出時点により多少の誤差がある。

(注2)個別案件の出資額は、登記データ、各社のプレスリリースを参照。

(田口裕介)

(タイ、日本)

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