VW、中国安徽省にEV用蓄電池システム工場新設へ
(ドイツ、中国)
ミュンヘン発
2021年09月30日
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は9月23日、中国安徽省に建設中の電気自動車(EV)用工場の近くに、蓄電池システムの生産拠点を建設すると発表した。
蓄電池システムの新工場はEVを生産するVW車両工場のサプライヤーパークに建設する。敷地面積は4万5,000平方メートルで、2023年下期に操業開始を見込む。年間15万~18万の蓄電池システムを生産、隣接するVW車両工場に納品する。操業開始時点で新工場の労働者は約200人の予定。VWは工場建設と設備に合計1億4,000万ユーロ超を投資する。
VWは2020年、安徽省の合弁工場の出資比率を50%から75%に増やした。安徽省のEV用工場は2022年末に完成予定で、生産能力は年間最大35万台。MEB(注)を基にしたモデルの量産は2023年に開始予定。VWは、VWグループ中国部門が販売する車両に占める新エネルギー車(NEV)の割合を2030年までに4割にすることを目標にしている。
VWグループ中国部門のステファン・ボレンシュタイン最高経営責任者(CEO)は「今後数年で電動車の数が急増するため、蓄電池システムのような基幹部品は内製化の必要がある」とコメントした。蓄電池システムの新工場建設により、安徽省のEV工場で製造する車両に占めるVWの内製部品の割合は約4割まで高まるという。
VWグループ全体では、ドイツ北部のブラウンシュバイク工場が蓄電池システムの設計・開発・製造を主導する。同工場では2019年から蓄電池システムを製造し、年産50万に達しているという。VWグループとしては、安徽省の新工場に加え、チェコのムラダー・ボレスラフ工場、米国のチャタヌーガ工場でも蓄電池システムを生産、数年内に100万以上の生産を目指す。
(注)Modularer E-Antriebs-Baukastenの略。VWが開発した次世代EV向けモジュラープラットフォーム(共通設計・部品共通化のための基盤)。
(高塚一)
(ドイツ、中国)
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