クリーンエネルギー取り巻く地方自治体の取り組み
(チリ)
サンティアゴ発
2021年09月27日
チリ・サンティアゴ市のラス・コンデス区は9月9日、区内の3つの公共施設と4万4,569基の公衆街路灯に使用する電力として、同日からチリ北部アタカマ砂漠に位置する複合発電施設「セロ・ドミナドール(Cerro Dominador)」が供給するクリーンエネルギーを利用すると発表した。
セロ・ドミナドールは、太陽光と太陽熱の2つの発電技術を組み合わせることで、24時間態勢での電力供給が可能な施設で、発電容量は210メガワットと伝えられている。また、中南米地域で初となる太陽熱発電プラントの導入事例としても注目を集めており、2021年6月に行われた落成式にはセバスティアン・ピニェラ大統領も参加するなど、国としての肝いりのプロジェクトとなっている。
ラス・コンデス区の試算によると、今回のクリーンエネルギーの導入によって、同区の年間電力使用量の21%、二酸化炭素(CO2)排出量約8,000トンが削減され、約4億7,000万ペソ(約6,580万円、1ペソ=約0.14円)の経費削減が見込まれている。同区のダニエラ・ペニェロサ区長は、今後も区内へのクリーンエネルギーの導入を積極的に検討すると述べる一方で、同様の試みが官民を問わず、国内のあらゆる機関で実施されるべきだと呼びかけた。
フアン・カルロス・ジョベト鉱業兼エネルギー相は「チリがカーボンニュートラルを推進し、地球温暖化の抑制に貢献するためには、国全体が一丸となって取り組む姿勢が不可欠であり、引き続き地方自治体レベルでもこういったイニシアチブが発揮されることを願っている」とコメントしている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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