第2四半期の実質GDP成長率は前年同期比10.3%

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2021年08月16日

連邦国家統計局は8月13日、ロシアの2021年第2四半期の実質GDP成長率を10.3%(前年同期比、速報値)と発表した。世界的な金融危機が発生した2009年に次ぐ落ち込み幅の2020年第2四半期以降続いたマイナス成長を脱し、5四半期ぶりのプラス成長となった。

産業別にみると、小売り(前年同期比23.5%増)や鉱業(7.8%増)がプラスに転じた(添付資料表参照)。また、製造業や建設、輸送では前期に比べて伸び率が拡大した。一方、農林水産業の伸び率は前期に比べて微減した。

英国の調査会社キャピタルエコノミクスによると、小売りについては新型コロナウイルス感染拡大防止のための各種制限措置の緩和などにより消費が回復したことが要因。また、建設の伸びは国からの支援による住宅ローン市場の活発化が背景にあると説明している(「コメルサント」紙8月16日)。

需要面では、実質可処分所得が前年同期比6.8%増、実質賃金が7.7%増と大きく回復し、いずれも5四半期ぶりにプラスに転じた。2020年第2四半期における落ち込みの反動増が要因とみられる(「RBK」紙7月28日)。

2021年の実質GDP成長率の予測について、世界銀行は6月8日に2.6%から3.2%に、ロシア中央銀行は7月23日に3.0~4.0%から4.0~4.5%に、IMFは7月27日に3.8%から4.4%にそれぞれ上方修正している。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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