ハメネイ最高指導者、ライーシー氏を新大統領として承認

イランで6月18日に行われた大統領選挙で当選したイブラーヒーム・ライーシー氏は8月3日、アリ・ハメネイ最高指導者から第13期大統領としての承認を受けた。

ライーシー新大統領は「今回の選挙結果が表す国民からのメッセージは、一言で言えば『現状の変化』であり、経済的、社会的、文化的な問題を解決する必要性を示している」と述べ、腐敗撲滅や財政赤字の処理、失業率の改善、インフレの是正を課題として挙げ、特にインフレによって食料の調達が困難になっている層への対応に取り組むとした〔8月3日付イスラーム共和国通信（IRNA）〕。

ハメネイ最高指導者は承認式で「イランの政治的多様性の存在も承認式の重要なもう1つのテーマ」とし、「（前政府と新）政府の異なる政治的傾向は、イランという国の政治的な多様性を示している。この事実は選挙の自由と健全さの証しだ」と述べた。

また、同最高指導者は経済問題に関して「経済問題の解決には時間がかかることを知るべきで、（新大統領を含む）責任者たちは一日も早く問題を解決するためにあらゆる努力を行わなければならない」と述べた。加えて、米国による経済制裁への対応や水不足、電力不足などの問題を抱える国内状況から、新大統領による早期の政権の立ち上げが必要だとし、速やかな組閣を求めた（8月3日付IRNA）。

ライーシー新大統領の任期は4年間。8月5日には国会で就任式が行われる予定だ（8月3日付IRNA）。

（鈴木隆之、マティン・バリネジャド）