アジア全域での二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)を目指すプラットフォーム立ち上げ
(ASEAN、オーストラリア、米国)
アジア大洋州課
2021年07月06日
梶山弘志経済産業相は6月22日、アジア全域での二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)活用に向けた知見の共有や事業環境整備を目指す国際的な産学官プラットフォーム「アジアCCUSネットワーク」の立ち上げを東アジアASEAN経済研究センター(ERIA)と発表した。ASEAN10カ国、オーストラリア、米国および日本の計13カ国と、100社・機関を超える企業、研究機関、国際機関などが参加する。
2050年までにエネルギー関連の二酸化炭素(CO2)排出をネットゼロにするために、国際エネルギー機関(IEA)は、2050年までに世界全体の累積削減のうち、CCUSが10%以上貢献すると推計する。2021年6月21日にIEAが新たに公表した特別報告書「東南アジアにおけるCCUSの機会」では、今後も化石燃料の需要が残る東南アジア地域において、CCUSが果たす役割は大きく、2030年では約3,500万トン、2050年では2億トン超のCO2の回収が必要と見込まれている。このレベルを達成するためには、2025年から2030年までに毎年10億ドル超の投資が必要とされる。
梶山氏からは、「アジアCCUSネットワーク」の立ち上げを発表した「第1回アジアCCUSネットワークフォーラム」において、日本のアジア地域でのCCUS発展への貢献の事例として、革新的な分離回収技術の開発、船舶による長距離CO2輸送の実証、インドネシアにおける2国間クレジット制度(JCM)を活用したCCUS実証に向けた取り組み(両国事業者間で覚書や共同スタディ合意を締結し、さらなる共同調査を開始予定とすること)などの説明があった。
(新田浩之)
(ASEAN、オーストラリア、米国)
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