アウディ、2033年までに内燃機関を搭載した車の製造を原則終了
(ドイツ、チェコ)
ミュンヘン発
2021年07月05日
フォルクスワーゲン(VW)グループ傘下の自動車メーカーの電動化重視が加速している。アウディは6月22日、2026年からバッテリー電気自動車(BEV)モデルのみを上市し、2033年までに内燃機関を搭載した車の製造を原則として終了する意向を発表した。アウディはEV化を加速するべく、2021年にはBEVモデルを内燃機関搭載モデルより増やし、2025年までにはBEVモデルが20を超えるとしている。
アウディの2020年の乗用車販売台数は169万2,773台。うち、BEVが4万6,913台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が6万5,106台だった。これら電動車の割合は6.6%で、前年比79.8%増加している。
マルクス・ドゥスマン取締役会長は同時に「アウディの内燃機関を搭載した車の正確な終了時期を決めるのは、最終的には顧客と(環境)規制」とコメントし、例えば、中国では2033年以降も内燃機関搭載車への需要があると見込まれるため、現地で内燃機関搭載車の生産を続ける可能性があるとした。また、製造終了まで内燃機関搭載車の性能向上のための研究開発を続けるとした。ドゥスマン会長はこれを「アウディの最後の内燃機関搭載車が過去最高のものになる」と表現している。
VWグループ傘下のチェコのシュコダ(注)は6月24日、同社の新戦略「ネクスト・レベル-シュコダ戦略2030」を発表した。同社はその中で、2030年までに少なくとも3種類のBEVモデルを投入すること、市場環境によるものの、欧州におけるBEV比率を5割から7割にすることを目指すとした。同社の2020年の乗用車販売台数は100万4,816台。うち、欧州での販売は75万791台で全体の74.7%を占める。
VWグループは2030年までのBEV販売台数を約2,600万台、ハイブリッド車を約700万台と見込んでいる(VW、向こう5年間の次世代技術へのカード)。また、他のメーカーの動きとしては、米国フォードが2月下旬、2026年までに同社が欧州で販売する全ての乗用車モデルをBEVまたはPHEVとし、2030年からは全てをBEVのみとする計画を発表している(2021年3月23日記事参照)。
(注)チェコ最大の乗用車メーカーで、チェコ国内でのEV製造開始は2020年だった(関連ブラック ジャック カード)。1991年からVWグループの傘下にある。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ、チェコ)
ビジネス短信 bf7b475efb787dd5