首都リマの戒厳令時間は短縮も、緊急事態宣言は再び延長
(ペルー)
リマ発
2021年07月13日
ペルーのビオレタ・ベルムデス首相は7月7日の記者会見で、8月末まで再び緊急事態宣言を延長することを発表した。一方で、全国の新型コロナウイルス感染者数と死者数について、前者は13週連続、後者は10週連続で減少傾向にあると述べた。また、7月12日以降の地域別感染警戒レベルについても、初めて4段階中で最も警戒レベルの高い「極限警戒レベル」の指定地域がないことを発表したが、引き続き感染予防を怠らないよう国民に促した。
これに基づき、首相府(PCM)は7月9日に大統領令第131-2021-PCM号を公布した。首都リマの感染警戒レベルは前回に引き続き「上級警戒レベル」(注)区分に含まれた。同レベルの対象地域は前回の12州から15州とカジャオ特別区に増加した。夜間強制外出禁止令(戒厳令)の開始時間は1時間短縮して午前0時から午前4時までとなった。また、これまで禁止していた日曜日の私有車利用も許可するなど緩和している(同措置は8月8日まで。その他の感染警戒レベル別の規制内容については添付資料表参照)。
ベルムデス首相は会見で、懸案事項の医療酸素不足問題についても触れ、2020年の自身の就任時に63拠点しかなかった医療用酸素の生産施設が現在300カ所に増加したと述べた。また、感染者数と死者数の減少について、オスカル・ウガルテ保健相はワクチン接種の進行とともに減少しており、既に800万回分の接種が行われたことを発表した。さらに、7月10日の週末から3週末連続でリマとカジャオ特別区の21カ所で、36時間連続で接種を行う通称「VACUNAT ÓN(バクナトン)」キャンペーンを行い、毎週末20万人の接種を目標とするとした。
(注)4段階の警戒レベルで上から3番目のレベル。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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