習国家主席、共産党創立100周年演説で小康社会の全面的完成をあらためて宣言
(中国)
北京発
2021年07月08日
中国の習近平国家主席は7月1日、北京市の天安門広場で開催された中国共産党創立100周年祝賀記念式典で重要演説を行った。習国家主席は「2つの100年目標」の1つである小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に完成させ、絶対的貧困の問題を解消したと宣言した。もう1つの「100年目標」である、2049年の中華人民共和国建国100周年までの社会主義現代化強国の完成について必ず達成すると自信を示した(注1、2)。
演説では、これまで共産党が果たしてきた成果を総括・評価した上で、今後も党による堅固な指導を必ず堅持するとした。さらに、新時代に中国の特色ある社会主義を堅持し発展させる歴史の過程で、党が常に強固な核心であり続けるとした。
また、人民を中心とする発展の思想を実践し、発展が不均衡・不十分な問題や人民大衆が困難を感じている問題の解決に尽力するとした。
このほか、党の基本理論や基本路線などを必ず堅持しつつ、改革開放の全面的深化、新しい発展局面の構築、質の高い発展の推進、科学技術の自立自強の推進、発展の中で民生の保障と改善を行うことの堅持、人と自然の調和の取れた共生の堅持、人民の富裕を共同で推進することなどに取り組んでいくと述べた。
対外面では、新型国際関係の建設を推進し、「一帯一路」構想の質の高い発展をともに建設するとしたほか、互恵・ウィンウィンを保ち、ゼロサムゲームを行わず、覇権主義や強権政治に反対するとした。また、中国人民はいかなる外来勢力の侮辱や抑圧などを決して許さないと強調した。
(注1)小康社会の全面的完成については、李克強首相が2021年3月の全国人民代表大会での政府活動報告で「貧困脱却堅塁攻略戦」に全面的勝利を収め、小康社会の全面的完成の決勝段階で決定的な成果を上げたと宣言していた。
(注2)中国国際経済交流中心の張永軍副総経済師は「世界銀行の基準によると、中国は2000年前後に低所得国から下位の中所得国の仲間入りを果たした。今後は10年程度の時間をかけて徐々に上位の中所得国への仲間入りを果たしていく」としている(「21世紀経済報道」7月6日)。
(小宮昇平)
(中国)
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