中国シノバック製の新型コロナワクチンの現地製造準備が本格化

(エジプト)

カイロ発

2021年06月10日

エジプトの国営医薬品企業VACSERAが中国シノバックの新型コロナウイルスワクチンの製造準備を本格化させている。政府と同社はシノバック製ワクチン製造のため、5月から中国の専門家の訪問団を受け入れている。ワクチン200万回分の原料が到着済みで、6月中に420万回分の原料が追加で到着する予定だ。ハラ・ザイード保健・人口相は、6月14日までにワクチン製造の準備を終え、翌15日から製造を開始するとしている。その後6週間以内に使用前検査を経て、現地製造のワクチンの一般市民への接種が始まる見込みだ。政府は2021年末までに4,000万回分の製造を計画し、国内のほか、ワクチン接種が遅れているアフリカ諸国に向けた供給も目指している。

エジプトでは2021年1月からワクチン接種を開始したが、初回接種者は約330万人で、約1億人の人口の3.3%にとどまっている。6月7日時点でシノファーム製約308万回分、アストラゼネカ製258万回分が現地に到着しているほか、政府はジョンソン・エンド・ジョンソン製2,000万回分の購入契約にも署名しており、今後の到着が待たれる状況だ。

感染拡大の第3波はピーク越える

エジプトでは、ラマダン(断食月)開始後の4月中旬以降に感染拡大の第3波となり、5月には午後9時以降の飲食店営業禁止など感染防止措置を実施していた(関連ブラック ジャック サイト)。6月に入ってからは1日当たり感染者数が1,000人以下となり、第3波のピークは越えて感染者数は徐々に減少傾向にある。

(井澤壌士)

(エジプト)

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