AIやロボティクス・スタートアップなどが日本企業との協業を求める
(タイ)
バンコク発
2021年06月17日
ジェトロは6月9日、日タイ・オープンイノベーション・ウェビナーを開催し、日本企業との連携を希望するタイのスタートアップ4社が事業内容を説明した。
- オーズトロボティクス(OZT Robotics):大阪大学工学部出身の最高経営責任者(CEO)が2011年に創業。人工知能(AI)・画像認識技術を用いて、日用消費財メーカー向けに小売店におけるリアルタイムでの売り上げ推移、自社商品の陳列状況などのデータ提供サービスを展開。衛星写真を用いた地形分析による災害対策、保険大手の請求処理自動化といったサービスも手掛ける。
- オボドロイド(obodoroid):2016年創業のロボティクスベンチャー。生活空間ごとに受付ロボット、運搬ロボット、警備ロボットなどを開発。コンドミニアムの駐車場に警備員代わりに配置するロボットは、居住者の顔認識も行うなど高度なセキュリティを提供。
- ナスケット(Nasket):2015年創業。モノのインターネット(IoT)を用いたスマート・ホームサービスを提供。自宅から簡単に商品を注文でき、同社が提供するスマートロッカーに配達される。美容師の派遣や配車、ランドリーも簡単に手配が可能。ロビーの宅配ボックスが満杯になる不満を避けるため、コンドミニアムの各階ごとにロッカーを設置する。
- マイクラウドフルフィルメント(My Cloud Fulfillment):2015年に創業したオンライン販売向け物流サービス企業。電子商取引のカギは、顧客一人一人が特別な存在として扱ってほしいという要求を満たすことだが、顧客の注文管理に加えて、キャンペーンや在庫管理が大きな負担となる。同社は、大手物流業者と連携し、倉庫スペースを借りて、商品の保管・管理から出荷作業・アフターサービスまで、EC事業における物流業務を全てワンストップで代行する。
ウェビナーで基調講演を行った、タイのスタートアップやエコシステム事情に詳しいTALENTEXの越陽二郎CEO(最高経営責任者)は「タイでは2016年ごろから日本大使館とジェトロが『エンバシー・ピッチ』というイベントを実施し、日本企業とスタートアップとの連携が活発になってきた経緯がある」と述べた。越CEOは、以下のような日本企業とスタートアップの連携事例を紹介した。
- 三菱商事とArincare:タイ中小薬局のデジタル化支援
- 豊田通商とFLARE:自動車走行データに基づく広告効果のデータ解析・提供やドライバー管理への応用
- 凸版印刷とDRVR:IDセキュテリティクラウドとシェアリング技術を融合した新たなモビリティサービス提供
(北見創、伊藤義典)
(タイ)
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