新型コロナのデルタ型変異株を国内初確認、国境封鎖と大災害事態宣言を延長へ

(チリ)

サンティアゴ発

2021年06月28日

チリ公衆保健院(ISP)は6月24日、インドで発見された新型コロナウイルスのデルタ型変異株の国内初の感染者を確認したと発表した。南米ではブラジル、アルゼンチン、ペルーでも同種の変異株の感染者が既に確認されている。

関連してチリ保健省は、6月30日までを期限としていた国境封鎖措置(国境封鎖を6月末まで延長、ブラック)を7月14日まで延長し、チリ入国者に対する監視体制を厳格化すると発表した。今後、デルタ型変異株の感染者が確認された場合には、隔離期間の全てを政府指定の隔離施設または病院の個室で行わなければならない。感染者と同じ航空便に同乗していたなどの場合にも、接触時間やマスク着用の有無にかかわらず、濃厚接触者として扱い、感染者と同様に隔離の全期間を政府指定場所で行わなければならない。

また、チリ国会は、6月30日までが期限となっていた大災害事態宣言(El estado de excepción constitucional de catástrofe、関連ブラック ジャック ブラック)を3カ月間延長し、9月30日までとする法案を可決した。本措置をめぐっては、人々の生活の自由を制限する措置を長期化する点について否定的な声が与党内からも上がっていたものの、先述のデルタ型変異株感染者が発見されたことも一因となり、可決に至った。

一方で、6月12日から首都圏州をロックダウンした影響もあってか、国内の新型コロナウイルス感染者数は減少傾向にあり、保健省は6月24日付で首都圏州内の10地域に、さらに29日付で24地域に対して、衛生規制を緩和し、規制緩和計画の第2段階(注)の措置を適用すると発表した。

(注)土日祝日の外出禁止措置(Cuarentena)が発令されている状態で、5段階ある規制緩和計画の中で2番目に規制が厳しい段階。

(岡戸美澪)

(チリ)

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