医療機器のメドトロニック、成都にイノベーションセンター開設

(中国)

成都発

2021年06月11日

医療機器大手メドトロニック(本社:アイルランド、オペレーション上の本社:米国)は6月2日、四川省成都市の高新技術産業開発区にイノベーションセンターを開設した。上海市に続いて2カ所目となる同社のイノベーションセンターは2017年に着工し、8,800平方メートルの敷地にシミュレーショントレーニング用手術室や透析教室などを設けている。メドトロニックは、成都のイノベーションセンターを中国内最先端の多分野医療技術臨床トレーニング総合基地としていく方針を明らかにしており、年間7,000人の医療従事者育成を計画している。また、同イノベーションセンターでは、メドトロニックの日本や韓国、インド、トルコなどの拠点の資源を活用し、成都市の先端医療技術への転換を促進するとしている。

メドトロニック董事長のジェフ・マーサ(Geoff Martha)氏は、イノベーションセンター開設を契機に、中国での現地化が進み、現地のイノベーション能力と医療技術産業の発展が加速するとの見方を示したほか、長期的に中国市場に投資を注力、多くの人に品質の良い医療サービスを提供していくとも表明した。メドトロニック中華区総裁顧宇韶氏は、成都への進出理由として、成都市では近年、医療分野のサプライチェーンが構築されつつあり、医療人材も豊富なことと、地元政府による優遇措置などインセンティブがあることなどを挙げた。

中国西南地域に進出している米系企業などで構成する西南米国商会は、5月27日に開催した「米国企業在中国・白書」の発表会で、「成都市、重慶市を中心とした西南地域では、徹底した新型コロナウイルス感染対策により経済が急速に回復しており、今後も米系企業などによる投資の動きが続いていく可能性がある」と述べている。

(王植一)

(中国)

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