エコシステムランキングでモスクワは欧州2位に
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2021年06月23日
スタートアップエコシステム調査機関スタートアップブリンク(SB)は6月16日、世界の都市別エコシステムランキング「Global Startup Ecosystem Index 2021」を発表した。モスクワは前年に引き続き9位となった(添付資料表1参照)。高い技術力をもつ起業家や専門家が数多く存在する点が評価された。
今回のランキングでは、前年に続き、米国のサンフランシスコとニューヨークが1位と2位だった。モスクワも前年と同じ9位で、欧州地域ではパリ(11位)、ベルリン(13位)を上回った。SBは、モスクワの強みを優れた技術を有する起業家や専門家が豊富に存在する点と指摘している。
欧州地域で2位になったことを受けて、モスクワ市政府関係者は喜びの声を上げている。モスクワ市のナタリヤ・セルグニナ副市長は「パリ、ベルリン、アムステルダムといった欧州のライバル都市を上回ったのは、補助金、コンサルティングサービス、教育プログラムなどを通じた、イノベーター支援によるところが大きい」とコメント。同市起業・イノベーション発展局のアレクセイ・フスリン局長は「スタートアップが市内の公共施設で最新技術の実証実験を可能とするプログラムを導入したことや、スタートアップのスケールアップを支援するプログラムの実施が寄与した」と語った(モスクワ市発表6月18日)。
SBはイスラエルの起業家が創設した調査機関で、2016年以降、毎年100カ国1,000都市のランキングを発表している。スタートアップ企業数や支援機関数、外国企業による研究開発拠点の設置有無、ビジネス環境などを評価基準(詳細は表2参照)として、世界各都市を点数付けしている(注)。
(注)SB以外にも、世界各都市のスタートアップエコシステムを評価する機関は存在する。米国のスタートアップゲノムはその1つで、同機関が発表するランキングでは、スタートアップの資金調達額やベンチャーキャピタルの数、各社のビジネスの浸透度合いなどを評価指標としている。
(宮下恵輔)
(ロシア)
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