大統領選挙で当選したライーシー氏が初の記者会見

(イラン)

テヘラン発

2021年06月23日

6月18日のイラン大統領選挙で当選したイブラーヒーム・ライーシー氏(2021年6月21日記事参照)は21日、初めて記者会見を行った〔6月21日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

ライーシー氏は「米国や欧州に言うべきことはあるか」との記者の質問に対し、「米国に対しては、(イラン核合意の)包括的共同行動計画(JCPOA)に戻ってその義務を履行するよう、率直に助言する」と述べた上で、「イランの新政権の外交政策は、2015年のJCPOAの復活をめぐる交渉から始まるものでも、それに限定されるものでもない。外交政策では、幅広くバランスの取れた国際社会との関わりを追求していく」とした。ジョー・バイデン米国大統領との直接会談の可能性については、明確に否定した。

内政に関しては「優先事項は、イランのビジネス状況と人々の生活状況を改善することだ」と述べ、最初のステップとして雇用と住居の問題に取り組むとした。

タスニム通信(6月22日)は、通常は大統領選挙が終わってしばらくしてから開催する記者会見を、ライーシー氏が当選確定2日後に迅速に開催したことについて、「今回の記者会見は、ライーシー氏がジャーナリストとの対話を重視していることを示す適切な行動だった」と報じた。

また、IRNAは6月22日までに、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、中国の習近平国家主席をはじめとする各国の首脳がライーシー氏に当選の祝意を伝えたと報じている。日本からは加藤勝信官房長官が「イランがライーシー氏の下で、中東地域の緊張緩和と情勢の安定化のために建設的な役割を果たしていくことを期待する」と述べたことも伝えている(6月21日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン)

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