イラン大統領選挙結果、サウジアラビアでは事実関係の報道が中心
(サウジアラビア、イラン)
リヤド発
2021年06月22日
6月18日に投票が行われたイラン大統領選挙で、保守強硬派のイブラーヒーム・ライーシー氏が当選したことについて(2021年6月21日記事参照)、20日時点でサウジアラビア国営通信は報道を行っていない。その他の当地メディアも、事実関係を伝える報道が中心になっている。
現地英字紙「アラブ・ニュース」(6月20日)は、護憲評議会の事前の審査によって、穏健派や改革派が支持する有力候補者が失格となったことや、投票率がこれまでのイラン大統領選挙に比べて極端に低かった事実を報じ、「非常に制限された大統領選挙だった」と述べた。「アラブ・ニュース」は19日にも、穏健派のハサン・ローハニ現政権において、米国による経済制裁の影響で通貨が大幅に下落し、高い失業率が続くなど、国民の生活に直結する国内経済が改善されなかったことを指摘するとともに、「イランの政治的構造では、大統領はアリ・ハメネイ最高指導者の管理下での政策しか取り得ない」と述べた。
サウジアラビアとイランの関係では、2021年4月にイラクの仲介で両国が極秘会談を行ったという報道が一部でみられた。一方で、それ以降も、イランが協力しているとされるイエメンのフーシ派による、サウジアラビア南部へのミサイル攻撃が断続的に続いている。イランに対するサウジアラビア政府の真意は測りかねるものの、域内の大国の1つであるイランの動向は、サウジアラビアにとっても無視できるものではないことは確かだ。
(柴田美穂)
(サウジアラビア、イラン)
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