劇場版「鬼滅の刃」がエジプトで公開

日本や米国などで人気のアニメ映画、劇場版「鬼滅の刃・無限列車編」が、エジプトでも5月12日から公開された。日米ほどの盛り上がりにはなっていないようだが、日本から遠く離れたアフリカ大陸のエジプトで日本のアニメ映画が放映されることは、作品への関心の高さを表しているとも言えそうだ。映画館は新型コロナウイルス感染対策のため、席数を減らして営業しているが、日本のコンテンツをエジプトに紹介する機会となった。

エジプトでは、アニメは子供が主なターゲットとなっており、「新型コロナウイルス」前はアニメ・漫画など日本文化イベントの「エジコン」が開催されるなど、一定の人気がある。過去には、テレビドラマ「おしん」やアニメ「キャプテン翼」などがヒットしたこともある。

ただ、中東でのコンテンツビジネスには、イスラム教への配慮が重要だ。実際、イスラム教で礼拝時間を告げるアザーンの音声の不適切な利用により、DVD商品を回収した事例もある。また、エジプトや湾岸諸国などではアラビア語対応も必要となり、今回の上映も日本語音声にアラビア語字幕を加えた放映だ。エジプトの映画配給会社や映画館は複数社あり、アラブ首長国連邦（UAE）本社のVOX Cinemasが中東・北アフリカでアラビア語などの字幕付きで配信しており、エジプトの同社の映画館で100エジプト・ポンド（約700円、1ポンド＝約7円）で上映されている。

現地ではアラビア語のドラマや映画の製作も活発で、近年は韓流ドラマなど外国コンテンツも視聴され始めている。現在、NetflixやAmazon Prime Videoのエジプト版では、アニメなど日本のコンテンツも視聴可能だ。新型コロナウイルスの影響もあり、家庭でのコンテンツ視聴も人気のようだ。

（井澤壌士）