米アマゾン、北米の配送・物流網で7万5,000人を新たに雇用へ
(米国、カナダ)
サンフランシスコ発
2021年05月19日
米国アマゾンは5月13日、米国とカナダの配送・物流ネットワークで、新たに7万5,000人を雇用すると発表した。新たに雇用するポジションの初任給の平均時給は17ドルからで、多くの拠点で雇用時に最大1,000ドルの契約金を支払うとしている。また、既に新型コロナウイルスワクチン接種が完了している新入社員には、100ドルを提供する。
新型コロナウイルス感染拡大によるEコマースの好調を受けて業績を伸ばしている同社の勢いは、2021年に入ってからも止まらない。2021年第1四半期(1~3月)の純売上高は前年同期比44%増の1,085億ドルに達し、純利益は前年同期(25億ドル)から3倍以上となる81億ドルを記録した。アマゾンは4月には、全米の配送センターなどに勤務する50万人以上の時間給従業員の時給を50セントから3ドル引き上げることを発表している。
一方、同社プラットフォームでのインターネット通販の注文が急増する中、商品配達員が配達ノルマを達成するにはトイレ休憩を取ることもままならないなど、労働環境の過酷さや長時間労働を問題視する報道もあった。ただ4月には、労働条件の向上などを目的に、アラバマ州ベッセマーにある同社配送センターなどの従業員の組合化の是非を問う従業員投票が行われた結果、組合化を望まない票が7割と圧倒的な割合で否決となった。
アマゾンは従業員の健康と安全が最優先事項として、3月から一部の州の配送センターでワクチン接種会場の設置を始めた。同様の接種会場は米国とカナダの合計250カ所以上に拡大し、これまで従業員など50万人以上に接種を実施したという。
(田中三保子)
(米国、カナダ)
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