イタリア、復興パッケージを欧州委に提出、グリーン革命に重点
(イタリア、EU)
ミラノ発
2021年05月10日
イタリア政府は5月5日、EUの復興基金「次世代のEU」(ブラック ジャック 勝率議会と加盟国内手続きに課題も)の執行にかかる復興パッケージ「再興・回復のための国家計画(PNRR)」をウェブサイトに掲載した。計画は既に上下院の承認を経て欧州委員会に提出されたもので、欧州委員会は5月1日、イタリアを含む4カ国から計画の提出があったと発表している。
この計画については、コンテ前政権が1月にいったん内容を策定、閣議決定していたが(2021年1月27日記事参照)、政権交代(ドラギ新内閣が正式発足へ、ブラック)を経てドラギ新政権が再検討を重ねていた。
欧州委員会に今回提出した計画は、計2,351億2,000万ユーロの投資計画となっており、主に3つの財源から構成される(添付資料表参照)。「次世代のEU」の核となる新型コロナウイルス危機からの復興のための加盟国への支援基金「復興レジリエンス・ファシリティー(RRF)」が1,915億ユーロと全体の8割超を占め、「結束と欧州の地域のための復興支援(REACT-EU)」から130億ユーロ、イタリアの独自財源「補足ファンド(Fondo Complementare)」が306億2,000万ユーロとなっている。RRFは、689億ユーロが補助金、残りは融資の形式でEUから配分される予定だ。
内容面では、前回(注)と同様、(1)「デジタル化、イノベーション、競争、文化および観光」、(2)「グリーン革命および環境移行」、(3)「持続可能なモビリティーのためのインフラ」、(4)「教育と研究」、(5)「包摂と結束」、(6)「健康」の6つの柱で構成され、計16のプロジェクトを列挙している。(2)「グリーン革命および環境移行」に全体の約3割と最大の額が振り分けられ、中でも、再生可能エネルギーや水素の利用拡大などを含むエネルギー関連施策に力点を置く。次いで、(1)「デジタル化、イノベーション、競争力文化および観光」に2番目に大きい額が充てられ、イタリアの生産性の低さの一因であるデジタル化の遅滞改善に取り組むこととなる。
政府は、これらの投資計画は主要なマクロ経済指標に重要な影響をもたらし、計画の最終年の2026年にはGDPをベースシナリオから3.6ポイント押し上げると試算している。
(注)コンテ前政権のPNRRの財源構成は、イタリア経済・財務省ウェブサイト参照。
(山崎杏奈)
(イタリア、EU)
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