米環境保護庁、前政権の燃費基準関連規則「ワン・ナショナル・プログラム・ルール」見直しに向けパブコメ募集

(米国)

ニューヨーク発

2021年05月06日

米国環境保護庁(EPA)は4月26日、温室効果ガス(GHG)排出基準とその達成のためのゼロ・エミッション車(ZEV)規制(関連ブラック ジャック 遊び方)に関連して、トランプ前政権が基準制定の権限を連邦政府に一元化するため2019年9月に発表した「One National Program Rule」(以下「プログラム」)の見直しを行うことを正式に告知した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。見直し案の策定に向けEPAは、2021年6月2日にオンラインでの公聴会を開催し、7月6日までパブリックコメントを募集する(パブリックコメントの提出方法など詳細はEPAホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照)。「プログラム」の見直しに関しては、既に同規則を共同で所管する運輸省が州独自の排ガス基準を認める内容の新規則案を発表しており(2021年4月26日記事参照)、今回のEPAの発表で、関係省庁の足並みがそろうかたちとなった。

GHG排出基準の根拠法である大気浄化法(CAA)は、同法209条において、やむを得ない特別な事情がある場合などに、州や地方自治体に対し連邦基準の適用除外を認めている。カリフォルニア州は2013年に適用除外が認められ、連邦よりも厳しい燃費規制を実施していた。これに対し、トランプ前政権は「プログラム」において、同州が「特別な事情」に当たらないとの理由から適用除外を取り下げ、州や自治体への連邦規制の適用を義務付けていた。

EPAのマイケル・リーガン長官は「自動車からのGHG排出基準の施行に当たり、州の適用除外を取り消すという2019年の決定は法的に疑わしいもので、国民の健康と福祉への攻撃だった。われわれは州のリーダーシップを回復し、EPAのGHG排出削減目標を前進させるための大きな一歩を踏み出すことで、地球温暖化に取り組むバイデン大統領の明確な方向性に従い進んでいる」と述べた(プレスリリース4月26日)。

EPAは今回のパブリックコメントで、EPAが、(2019年に)CAAの下で州や地方自治体に与えられている適用除外を取り下げたことや、エネルギー政策・保全法(EPCA)の下で定められる連邦政府の優先性を理由に州や自治体への適用除外を取り下げたことが適切だったかどうかを問うとしている。

また、EPAがカリフォルニア州に認められていた適用除外を取り下げたことに関し、「プログラム」におけるCAAの解釈が適切だったかどうか、さらに、他州に認められていたカリフォルニア州規制の準用を取り下げたことに関し、「プログラム」におけるCAA177条(注)の解釈が適切だったかどうか、についても意見を求めるとしている。

(注)大気浄化法177条(42 U.S.C. §7507外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。カリフォルニア州と同一の基準を採用する州は、連邦政府による基準の適用が除外されることなどがうたわれている。

(大原典子)

(米国)

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