新型コロナ変異株含む感染者増で、最大5人への集会制限など規制再強化
(シンガポール)
シンガポール発
2021年05月07日
シンガポール政府の新型コロナウイルス・タスクフォースは5月4日、国内で変異株を含む新型コロナウイルス感染者が再び増加しているのを受け、同月8日から30日まで集会を8人から5人に制限するなど、対策を再び強化すると発表した。タスクフォースは4月29日に、5月1~14日の感染拡大防止の時限的措置として、同居家族以外の家への訪問や公共の場での集会は1日2件までとするなど規制を強化すると発表したばかりだが、一段と規制を強化する。
発表によると、5月8日から30日まで在宅勤務が可能な社員の出社率の上限を75%から50%へと引き下げる。スポーツイベントについては観客入りの開催を禁止する。ライブ公演や実験的なビジネスイベントの参加者の上限を750人から250人へと引き下げるとともに、100人以上が参加するイベントについては事前の検査を義務付ける。貿易産業省の事前許可を得て営業が認められていたアトラクションについては、稼働率を65%から50%へと引き下げる(注1)。
同国では2020年4月7日~6月1日に必須サービスを除く職場閉鎖「サーキットブレーカー」を実施し、同年6月2日から3段階で経済活動を再開。12月28日から経済活動の最終段階の第3段階に移行したが、今回の感染拡大を受け5月8~30日に第2段階に逆戻りすることになる。
日本含む感染リスクの高い国・地域からの渡航者の隔離期間、21日間に延長
一方、タスクフォースは、5月7日午後11時59分から日本を含む新型コロナウイルス感染リスクの高い国・地域(注2)からの渡航者について、入国後の隔離期間を14日間から21日間へと延長すると発表した。シンガポールの最新の水際対策の最新状況については、移民管理局(ICA)のホームページを参照。
保健省によると、5月4日の新規感染者は17人(累計6万1,251人で、うち6万823人が回復し、死者31人、重症が2人)。同日までの1週間の国内感染者が64人と、その前の週の11人から増加した。特に、タントクセン公立病院では、同日までに医師や看護師、患者など計40人の感染者が確認され、このうち少なくとも5人がインドの変異株に感染していたことが明らかになっている。
(注1)このほか、5月8~30日に導入する感染防止対策については保健省の5月4日付発表を参照。
(注2)感染リスクの高い国・地域は、オーストラリア、ブルネイ、中国、ニュージーランド、台湾、香港、マカオを除く国・地域。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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