ハンガリーで初の水素充填ステーション開設、英ガス会社

(ハンガリー、英国)

ブダペスト発

2021年05月13日

英国のガス会社リンデは4月29日、ハンガリー初の水素充填(じゅうてん)ステーションを首都ブダペストに開設した。このステーションはコンテナ式で移動させることができる。350気圧用と700気圧用の2つの圧力レベルで水素燃料を供給する。フォークリフトやバス、トラックだけでなく、より高い充填圧力を必要とする水素自動車への供給も可能な設計となっている。

ハンガリーのパルコビッチ・ラースロー技術・革新相は開設式典で「初の水素充填ステーションの開設と試験運用はハンガリーの水素戦略ビジョンの実現に向けた重要なステップだ。2050年までの気候中立の実現という目標に一歩近づいた 」と述べた。

式典では、水素関連の企業や研究機関など70超のメンバーで構成するハンガリー国立水素技術プラットフォームのレプシェーニ・イシュトバーン会長が、水素技術セクターの戦略的基礎研究となる白書を大臣に手交。白書には、現在の国内水素技術の実力や将来の開発意向に関する調査結果と、EUを中心とした国際的な状況などが示されている。

国内初の水素充填ステーションの開設に併せて、トヨタの燃料電池自動車「ミライ」の2代目の試乗会も行われた。「ミライ」を販売する条件は最低1つの水素充填ステーションを備えていることで、同ステーション開設を受けて販売を開始することとなった。「ミライ」は、国内で走行する「グリーン」ナンバープレートを有する環境に優しい自動車の中で初の燃料電池自動車となる。

パルコビッチ技術・革新相は2021年末からハンガリーで水素燃料バスの生産を開始することにも言及した。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、英国)

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