ジブチのゲレ大統領が5期目の当選、新型コロナ対策を強調も第2波の最中
(ジブチ、エチオピア)
アディスアベバ発
2021年04月19日
ジブチで4月9日に大統領選挙が実施され、現職のイスマイル・ゲレ大統領(進歩人民連合)が5期目の当選を果たした。2010年4月の憲法改正で、大統領任期を6年から5年に短縮し、再選回数の制限を撤廃した一方で、75歳の大統領定年制を導入した。現行の枠組みでは、ゲレ氏(73歳)は任期途中で定年を迎えることになり、今回が最後の当選となる。
現地紙(La Nation2021年4月11日)によると、選挙人登録者21万5,687人中、17万7,391人が投票し、ゲレ大統領は97.4%の得票率だった。ほかに立候補したのは、実業家のザカリア・イスマイル・ファラ氏(57歳、「ジブチ国家の発展と均衡運動:MDEND」)だった。選挙期間中、これまでの政権運営では高い失業率と格差が解消できていないとの批判があったものの、ゲレ大統領は新型コロナウイルス対策の実績なども強調し、当選を勝ち取った。
世界保健機関(WHO)によると、ジブチでは2020年3月18日に初めて新型コロナウイルス陽性患者が確認され、一時期は10万人当たりの陽性患者数がアフリカ大陸でも高い水準で推移していた。その後、同年7月16日にはジブチ保健省が国境封鎖の解除を宣言するなど、感染増加は緩やかな伸びにとどまっていた。2021年4月15日までの累計感染者数は1万202人、死者数106人(ジョンズ・ホプキンス大学調べ、4月15日時点)となっている。感染者数のうち4,000人近くは3月以降に確認されており、第2波の最中にあるといえる。新型コロナワクチンはWHO主導の「COVAXファシリティ」による調達で、3月6日に初回分が到着しており、まずは医療従事者、50歳以上の人、基礎疾患をもつ人に優先的に接種する方針となっている。
(メセレット・アベベ、関隆夫)
(ジブチ、エチオピア)
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