世界最大の再生可能エネルギー市場・設備製造国として、対外進出にも意欲

(中国)

中国北アジア課

2021年04月07日

中国国務院新聞弁公室は3月30日、2020年の再生可能エネルギー関連指標を発表した。国家能源局の章建華局長は、2020年末時点の中国の再生可能エネルギー発電設備容量は9億3,000万キロワット(kW、注1)、国内の発電設備容量に占める割合は42.4%だったとした。発電量は2兆2,000億キロワット時(kWh、注2)、社会全体の使用電力に占める割合は29.5%となり、前述のいずれの指標でも世界1位だったと述べた。再生可能エネルギーの発電設備容量は世界の3分の1を占める。

発電設備容量の内訳をみると、水力は3億7,000kWで16年連続、風力は2億8,000万kWで11年連続、太陽光は2億5,000万kWで6年連続、バイオマスは2,952万kWで3年連続の世界1位という(添付資料表1参照)。

章建華局長はまた、中国は再生可能エネルギー関連設備の製造でも世界1位となっており、世界の水力発電所建設の70%を中国企業が請け負っているほか、世界の風力発電設備生産量の50%を中国が占めると述べた。太陽光電池の関連部品供給に占める中国企業の割合では、ポリシリコン58%、シリコンウエハー93%、太陽電池セル75%、太陽電池モジュール73%と、全ての製造工程で50%以上を占めている。

記者発表では、習近平国家主席が打ち出した目標である2060年までのカーボンニュートラルを実現するため、2025年と2030年までの数値目標達成に向けて、再生可能エネルギーの活用をさらに大幅に拡大するとした。2025年までの数値目標については既に第14次5カ年(2021~2025年)規画で、単位GDP当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を18%、単位GDP当たりのエネルギー消費量を13.5%引き下げることを打ち出している。これに加え、習主席が2020年12月に表明した2030年までの数値目標について、極めて困難な任務だが、必ず成し遂げなければならないとした。具体的には、2030年までに非化石燃料が1次エネルギー(注3)消費に占める割合を15.9%から25%前後に、風力および太陽光の発電設備容量を5億3,000万kWから12億kW以上に引き上げるとしている(添付資料表2参照)。

能源局新エネルギー・再生可能エネルギー司の李創軍司長は、2025年には再生可能エネルギー発電設備容量が全体に占める割合は50%を超え、社会全体の使用電力の増加量に占める再生可能エネルギーの割合は3分の2を超えるとの試算を示した。

章建華局長は、中国は世界の再生可能エネルギーの発展にどのような貢献ができるかという記者の質問に対し、再生可能エネルギーの設備やサービスを積極的に輸出していくと回答。近年は特に「一帯一路」沿線国家への再生可能エネルギー関連投資が伸びており、技術的な支援が必要な国・地域に対して、中国の先進的な技術の普及を行い、グリーンな「一帯一路」の建設に注力すると述べた。

(注1)発電設備の最大出力容量を表す。100万kWの発電設備容量は原子力発電所の約1基分とされる。

(注2)発電した、もしくは使用した電力量を表す。

(注3)石油、天然ガス、石炭、原子力、太陽光、風力など、自然から直接採取されるエネルギー。

(江田真由美)

(中国)

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