RCEPの国内批准手続き完了、署名国で初
(シンガポール)
シンガポール発
2021年04月13日
シンガポール貿易産業省は4月9日、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定について、国内批准手続きが完了したことを発表した(貿易産業省4月9日付)。同協定について、各国の国内法に従って批准が完了したのは、署名国15カ国の中で、シンガポールが初めてとなった。
チャン・チュンシン貿易産業相は、同協定への批准はシンガポールによる強いコミットメントのあらわれであり、地域における貿易、経済のリンケージ強化を示すものとした。また、ほか署名国による早期批准への期待を示した。
同省によれば、シンガポールは、日本や中国、韓国とのASEAN+1FTA(自由貿易協定)のほか、多くの2国間FTA/EPA(経済連携協定)のネットワークを構築しており、同協定発効はこれらを補完し、貿易投資を拡大するものとした。シンガポール産業界は、関税撤廃や自由で公正な経済ルール構築により、市場アクセスなどの改善が期待できる。政府は、同協定の発効後を見据えて、業界団体や商工会議所などと連携し、RCEPに関するウェビナーなどを既に実施している。
同協定は、ASEAN10カ国のうち6カ国、および非ASEAN5カ国のうち3カ国の批准手続きが完了してから、60日後に発効する。
ASEANサービス貿易協定も批准
なお、同省は、同月5日、ASEANサービス貿易協定(ATISA)を加盟国で初めて批准したことを発表した(貿易産業省4月5日付)。ATISAは、既存の協定である「ASEANサービス枠組み協定(AFAS)」の内容を強化したもので、ASEAN加盟国による初の包括的なサービス分野の協定として2020年10月に署名された。同省は、協定発効により、プロフェッショナル・サービス、通信、金融、コンピュータ、流通・物流サービスなどにおいて、企業マインドで便益や改善につながるとした。
(藤江秀樹)
(シンガポール)
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