製品安全規制の独自基準策定へ、IoTなど時代の変遷に対応

(英国)

ロンドン発

2021年03月17日

英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は3月11日、英国の製品安全に関する規制を抜本的に見直す考えを公表。同法を強化し現代に適合させるべく、製造業者や業界団体、消費者などからの意見公募PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を開始した(期限は6月3日まで)。2018年にBEIS内に設置した「製品安全基準局(OPSS)」が制度策定を主導、調整する。

英国の製品安全規制の多くはEU法に基づいているほか、英国独自の規制の一部は1987年制定のものにまでさかのぼる。また、近年、オンライン市場の普及やイノベーションの進化が急速に進んだことから、製品の購入方法や製品自体の品質も大きく変化を遂げている。今回の意見公募は、これらのEUから継承した規制体系や古い規制を見直し、製品の安全性に関する長期的なアプローチを確立、将来にわたって有効な枠組みを策定することを目的としている。UKCAマークに関連する製品固有の規制に加え、分野横断的な製品規制などが対象になる(詳細は上記リンク先「意見公募」の「Annex B-List of Regulations in Scope」を参照)。

IoT拡大なども踏まえた新枠組み目指す

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、電子商取引市場は拡大しており、小売売上額に占めるオンライン販売の割合は2020年2月の19.1%から2021年1月は36.3%まで上昇している。また、英国政府によると、スマートフォンや家電など、インターネットに接続される「モノのインターネット(IoT)」電子機器は2030年までに世界で約500億台と、今後10年で現在の5倍にまで増えると予測されている。これらを背景に、新たな規制枠組みが消費者に安全を提供し、ビジネスの成長とイノベーションをサポートすることや、消費者がブラック ジャック トランプ やり方に基づいて意思決定を行うことを可能にすべく、規制当局と企業が製品安全性についてオープンかつ透明性を保持することなどを目指すとしている。

BEISのポール・スカリー次官は「(EU離脱に伴い)英国が自由に独自基準を策定できるようになった今、消費者の安全を確保しつつ、企業の創造的な可能性を引き出すことを可能とする近代的な製品安全制度の策定を推進する」と発言、英国を安全性と最先端のイノベーションの双方で世界をリードする存在とすべく、EU離脱のメリットを最大限に活用する構えだ。

(尾崎翔太)

(英国)

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