2020年の輸出におけるFTA利用額は11.4%減、利用率は76.5%

(タイ)

バンコク発

2021年03月26日

タイ商業省外国貿易局(DFT)は3月16日、2020年の自由貿易協定(FTA)を利用した輸出額が前年比11.4%減の580億7,700万ドルだったと発表した。これはFTA利用が可能な輸出額(758億8,500万ドル、11.5%減)の76.5%を占め、これをFTA利用率とすると、前年と同水準になった(添付資料表1参照)。

計上した対象はタイが締結する13のFTAのうち、ASEAN香港FTA(AHKFTA)とタイ=ニュージーランド経済緊密化連携協定(TNZCEP)を除く11協定。利用額の大きいFTAとしては、ASEAN自由貿易地域(AFTA、ASEAN物品貿易協定:ATIGA)、ASEAN中国(ACFTA)、日本タイ経済連携協定(JTEPA)、タイ=オーストラリアFTA(TAFTA)、ASEANインドFTA(AIFTA)の順となった(添付資料表2参照)。

国・地域によっては複数の協定を締結しているが、21 トランプみた場合に利用額が大きかったのは、ASEAN、中国、オーストラリア、日本、インドの順だった。2020年においては、タイの輸出が多くの国・地域向けで減少したため、FTAを利用した輸出額もおおむね減少している。一方、中国向けのFTA利用額は増加した(添付資料表3参照)。

各FTAを利用した輸出額の大きい品目をみると、AFTAについては、乗用車やエアコン、食品となっている(添付資料表4参照)。ACFTAの利用は、ドリアンやゴム製品、グアバ・マンゴー、タピオカでんぷんやキャッサバなど農産品・食品が目立っている。JTEPAは、鶏肉やエビの調整品のほか化学製品、TAFTAは、貨物輸送車や乗用車、エアコンなどでの利用が多い。AIFTAの利用は、銅線や化学製品、自動車部品など材料・部品が中心となっている(添付資料表5参照)。

(シリンポーン・パックピンペット、北見創)

(タイ)

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