銀行での引き出し制限発表、日系企業も対応に苦慮
(ミャンマー)
アジア大洋州課
2021年03月03日
ミャンマー中央銀行は3月1日、国内の金融機関で同日から現金の引き出し額の上限を設ける通達を発出した(中央銀行28/2021)。
通達によると、銀行窓口での引き出し額は、個人が1週間当たり200万チャット(約15万2,000円、1チャット=約0.076チャット)、企業や団体は2,000万チャットに制限される。また、現金自動預け払い機(ATM)からの引き出し額は、1日当たりこれまでの半分の50万チャットが上限となる。
2月1日の国軍による権力掌握以降、金融機関などで働く社員の多くは職場ボイコット運動(CDM:Civil Disobedience Movement、以下CDM)に参加してきた。そのため、金融機関の多くは窓口業務を閉鎖し、銀行業務に大きな支障が出ていた。
そうした中、数千人の従業員を抱える日系製造業A社では、複数の取引銀行から現金を引き出し、2月末の給与は支払うことができたが、今回の引き出し制限により、どのような対応をしたらよいのか不安を隠せないという。また、日系製造業B社でも、2月末の現金支払い分の給与は何とか調達できたが、今はできる限り現金を下ろすしかないという。
一方、日系企業駐在員の日本から送金された給料についても、2月1日以降、着金処理ができていない。ある日本人駐在員は、住居費の支払いやスーパーでの買い物などは全てクレジットカード払いとし、現金を極力使わないことが大事と話す。
国軍は、CDMに参加する金融機関に対して業務再開を指示しているが、3月3日現在、民間大手金融機関のATMは機能しているものの、店舗は閉じたままとなっている。
(アジア大洋州課)
(ミャンマー)
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