スエズ運河の座礁コンテナ船が6日ぶりの再浮上に成功
(エジプト)
カイロ発
2021年03月30日
エジプトのスエズ運河庁は3月29日午後3時ごろ(現地時間)、スエズ運河紅海側入り口で23日午前7時40分ごろ座礁した大型コンテナ船「Ever Given」(2021年3月26日記事参照)が、離礁に成功したと発表した。
「Ever Given」が座礁した23日には、12隻で構成された南航船団と30隻で構成された北航船団が運河内を通航中で、座礁により北航船団は停止を余儀なくされた。スエズ運河庁は、事故現場、船体の被害、運河への影響などを確認するためのチームを現場に派遣し、離礁作業のために複数のタグボートを投入していた。同時に、この事故による負傷者および死者は出ておらず、汚染も発生していないことを確認していた。
離礁作業は、運河底の掘削作業や船舶の軽量化などに着手し、14隻のタグボートによる牽引作業が気候状況に応じて慎重に行われていた。28日の報道では、座礁船が17メートル移動に成功したと伝えられていたが、その一方で350以上の船舶が停止しており、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は、作業の状況によっては数日以内に座礁船の積み荷を降ろすシナリオを指示していた。
今回の離礁に対して、エルシーシ大統領からは、スエズ運河庁や関係者への謝意などが述べられている。今後、滞留しているコンテナ船の運河通航や事故の補償問題が注目される。
(常味高志)
(エジプト)
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