ドバイ、新型コロナ感染者数増加を受け各種規制強化

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2021年02月03日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府は2月2日から、商業施設などに入場制限を設けるなど、営業に関する規制を強化した。ドバイ・メディア局の発表によると、規制内容は以下のとおり。同月28日までの措置となる。

(1)商業施設などの収容人数の上限を設置(最大収容人数に対する割合)

  1. 室内娯楽施設(映画館、劇場、スポーツ会場など):50%まで
  2. ホテル:70%まで
  3. スイミングプール、プライベートビーチ:70%まで
  4. ショッピングモール:70%まで

(2)飲食店、カフェは午前1時までの営業

各規制の違反者には、従来に比べてさらに厳しい罰則を科すとし、違反事例を発見した際はドバイ警察に通報するよう呼び掛けている。現地紙の報道(2月1日付)によると、「パブ」や「バー」として営業している店舗は、終日営業停止となる。

規制強化は、新型コロナウイルスの国内感染者数の増加を受けたものとみられる。UAE国内では年末年始から新規感染者数の増加が続いており、12月には1,000人台で推移していた新規感染者数が1月28日には過去最多の3,966人を記録した。それを受けて、ドバイ政府観光・商務局は1月21日から娯楽関連イベントの開催許可発給を停止している。また、1月31日からドバイ入国時の要件が変更となり、全ての入国者は出発時間から72時間以内に取得したPCR検査の陰性証明の携行が必須となった。従来は、日本からドバイに入国する場合、UAE居住者は出発前96時間以内に取得した陰性証明の携行、またはドバイ空港到着時のPCR検査受検のいずれかを選択できたが、要件が強化された。

ドバイ政府は観光目的の外国人の消費を活用して経済を回復させるべく、感染対策を講じつつも、積極的に外国人観光客を呼び込んできた。10月にはドバイ万博開催を控えており、観光客を呼び込む積極策と、感染抑制の両立を図るという難しいかじ取りを強いられることになる。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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