WEFバーチャルダボス開催、シンガポールでの年次特別総会は8月に延期
(スイス、シンガポール、世界)
ジュネーブ発
2021年02月05日
世界経済フォーラム(WEF)は2月3日、シンガポールで開催予定の2021年の年次特別総会を8月17~20日に延期すると発表した。1月25~29日に初めての完全オンラインによるカンファレンス「ダボス・アジェンダ」が行われたが、その成功を受けて、年次特別総会では新型コロナウイルス感染症の世界的な流行からの回復に向けての世界の課題と、より包摂的で持続的な世界を実現するための基盤の構築について、世界の政府、産業界、社会におけるリーダー間の議論を促進するものとなる。
当初、年次特別総会は5月25~28日に計画されていたが(2020年12月8日記事参照)、現在、各国が行っている渡航規制や、行動制限措置の状況を踏まえると、2021年前半に対面での集会を行うことは難しいと判断された。一方で、シンガポールにおける感染状況は極めて低いレベルで抑えられており、WEFおよびシンガポール政府として、現地会合での安全確保には問題ないとしている。
例年、スイス・ダボスで開かれていた年次会合の期間に開催された前述の「ダボス・アジェンダ」については、WEFの発表によれば、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、中国の習近平国家主席など、24以上の国・国際機関の首脳が参加し、1,700人以上の参加があった。同カンファレンスは、世界が試される新たな状況下に必要とされる、原則、政策、パートナーシップを形成するため、世界のリーダーたちが先駆けて結集する場となるものとされ、以下のテーマで合計140セッションにわたり議論が行われた。
- 結束力のある、持続可能でレジリエントな経済システムのデザイン
- 責任ある産業の変革と成長の推進
- グローバル・コモンズ(注)のスチュワードシップの強化
- 第4次産業革命におけるテクノロジーの利活用
- グローバルおよび地域の協力体制の強化
(注)地球規模で人類が共有する資産を指す。国際公共財ともいう。
(和田恭)
(スイス、シンガポール、世界)
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