チェンナイでもコンテナ不足が顕著
(インド)
チェンナイ発
2021年02月18日
世界的なコンテナ不足がアジア各国の貿易に影響を及ぼす中、インドのタミル・ナドゥ州チェンナイでも、空コンテナの不足とそれに伴う輸送コストの上昇が生じている。ジェトロが2月5~12日にチェンナイの複数の日系物流会社にヒアリングした結果、問題解消の見通しが依然として立ちにくく、長期化する可能性が高いとみられる。
今回、チェンナイ・日本間の40フィートコンテナの料金について聞き取りを行った。ある物流会社によると、チェンナイからの輸出入用ともに、料金は2020年7月から徐々に上がり始め、10月に値上がり幅が大きくなって、12月には通常時の5倍ほど、現在は7~8倍程度で高止まりしているという。別の会社によると、チェンナイへの輸入について、11月から上昇し始め、12月に通常時の2倍以上になった後、現在は5~6倍になっているという。チェンナイからの輸出については、12月に上がり始めて通常時の2倍以上になり、現在は4~5倍とのことだった。
価格上昇の背景には、シンガポール、ポートクラン(マレーシア)などの経由港での遅延発生が指摘できる。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経由港における荷役作業効率の低下で作業の遅延が発生している。その結果、コンテナヤードにコンテナが滞留することになり、これが理由の1つのようだ。通常1週間かかる荷役作業は現在2~3週間かかっているもようだ。さらに、予定していた船にコンテナが詰めなくなり、次の船を待たざるを得なくなる場合、さらに時間がかかるとの声も聞かれた。
改善時期の見通しについて、当初は2021年2月中旬の春節(旧正月)明けともされていたが、いまだ解消されていない。ある物流会社は、5~7月に改善を見込んでいると語った。コンテナ問題は2020年9月のインド政府による原産地証明の厳格化と重なり、物流の混乱に拍車をかけているとの声が多かった。
(浜崎翔太)
(インド)
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