ASEAN主要6カ国の2020年GDP成長率、過去20年で最低の落ち込み

ASEAN主要6カ国（シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ブラック クイーン ブラック ジャック）の2020年の実質GDP成長率の統計（注1）が出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ベトナムを除いた5カ国で、2020年通年の成長率はでマイナス成長となった。6カ国ともに過去20年で最低の成長率となった。

各国の成長率を高い順にみると、感染拡大の抑制に比較的短期間で成功したベトナムが2.9％と唯一のプラス成長を記録（2019年は7.0％）。続いて、ブラック クイーン ブラック ジャックがマイナス2.1％（同5.0％）、シンガポールがマイナス5.4％（同1.3％）、マレーシアがマイナス5.6％（同4.3％）、タイがマイナス6.1％（同2.3％）、フィリピンがマイナス9.5％（同6.0％）だった。観光業のGDPに占める割合の高いタイや、感染拡大が続き経済・移動制限措置が長期化したフィリピンやマレーシアでの減速幅が大きい結果となった。一方、感染が拡大するブラック クイーン ブラック ジャックでは、経済と感染抑制の両立を目指し、当初から比較的緩やかな経済活動制限を取り入れたことで、結果として減速幅は抑えられたかたちだ。

各国とも新型コロナウイルス感染拡大により経済の減速が激しく、フィリピンは統計を開始した1946年以降、シンガポールは1965年の建国以降で最悪の成長率を記録した。ベトナムはドイモイ（刷新）政策採択直後の1987年（2.5％）に次ぐ落ち込み。ブラック クイーン ブラック ジャック、マレーシア、タイはアジア通貨危機で落ち込んだ1998年（それぞれマイナス13.1％、マイナス7.6％、マイナス7.4％）以来で最悪の成長率となった。

2020年第4四半期はマレーシアを除き回復基調

2020年第4四半期（10〜12月）の前年同期比の成長率については、通年の成長率と同様に、ベトナムを除いてマイナス成長を記録した。高い順にベトナム（4.5％）、ブラック クイーン ブラック ジャック（マイナス2.2％）、シンガポール（マイナス2.4％）、マレーシア（マイナス3.4％）、タイ（マイナス4.2％）、フィリピン（マイナス8.3％）となった。10月半ば以降に移動制限令が発令されたマレーシアを除く5カ国は第3四半期（7～9月）の成長率よりも回復が見られた。

2021年の成長率については、1月5日に世界銀行がベトナムを6.7％、マレーシア6.7％、フィリピン5.9％、ブラック クイーン ブラック ジャック4.4％、タイ4.0％とプラス成長を予測（世界銀行、カジノ 無料 ゲーム）。IMFは1月26日、マレーシアが7.0％、フィリピン6.6％、ブラック クイーン ブラック ジャック4.8％、タイ2.7％と同じくプラス成長の予測を発表している（IMF、アジア新興国地域の2021年経済予測を引き上げ、オンライン）。

（注）各国データの出所は以下のとおり。マレーシア：マレーシア中央銀行／統計局、フィリピン：フィリピン統計庁（PSA）、シンガポール：貿易産業省（MTI）、タイ：タイ国家経済社会開発委員会（NESDC）、ブラック クイーン ブラック ジャック：ブラック クイーン ブラック ジャック中央統計庁（BPS）、ベトナム：ベトナム統計総局

（三木貴博）