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(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年02月16日

ドイツ連邦政府は2月10日、道路交通法改正案(自動運転法)を閣議決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同改正案は、特定分野に限定して、公道でのレベル4(注1)の自動運転を可能にするもの。交通・デジタルインフラ省によると、本法案が施行されれば、ドイツは、研究・実験走行ではない通常走行として、公道でのレベル4が可能な世界最初の国になるという。交通省は、2021年半ばまでの法案の可決、2022年までの施行を目指す。

同法案は、自動運転を行う車体などの技術的要件、自動運転車の認可・車検、自動運転に関わる運転者の義務、データ処理などを新たに規定している。レベル4の走行が可能となる特定分野として、同法案は、(1)シャトル交通サービス、(2)自動運転ミニバス(People-Mover)、(3)ハブ・トゥ・ハブ交通(Hub2Hub-Verkehre)(注2)、(4)オフピーク時のニーズに応じたサービス、(4)ラストワンマイルの人やモノの輸送、(5)自動バレーパーキング(2020年10月29日記事参照)などを挙げている。

同法案は、連邦議会および連邦参議院での可決が必要となる。アンドレアス・ショイアー交通・デジタルインフラ相は「本法案が合意され、ドイツが引き続き、自動運転技術の分野で国際的にトップであり続けることを確信している」とコメントした。一方、ドイツ経済紙「ハンデルスブラット」(2021年2月10日)は、本法案が成立するかは「不明」と報道。その理由として、交通事故が起きた際の責任の所在、付保する保険の最低金額、データ保護などの分野で司法・消費者保護省が修正を求めていることなどを挙げた。

交通・デジタルインフラ省は、今回の本法案が可決された場合も、自動運転技術の発展動向、国際ルール、データ保護関連規定などの観点から、2023年以降に同法を再評価するとしている。

(注1)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベル。レベル3では、限定された領域内でシステムが原則全ての運転タスクを実施するが、作動継続が困難となる場合、運転者が適切な対応をする必要がある。レベル4では、限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態での走行が可能。

(注2)商用車などで、目的地付近と到着地付近の複雑な場所のみ運転手が走行、それ以外の高速道路などは自動運転を行う交通方式。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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