新型コロナワクチン接種で先行のイスラエル、ファイザーとの契約書を公開
(イスラエル)
テルアビブ発
2021年01月19日
イスラエルが新型コロナワクチンの接種率で先行している。英国オックスフォード大学を拠点とする「Our World in Data」の統計によれば、1月18日時点でイスラエルにおける接種率は28.02%と世界首位で、2位のアラブ首長国連邦の19.04%を大きく引き離している。新型コロナワクチンは同一人物に対して合計2回の接種が求められているが、イスラエル保健省の発表によると、1月18日午後(イスラエル時間)時点での接種数は1回目が211万6,291件、2回目が30万9,450件で、合計242万5,741件に上る。中央統計局の推計によれば、2020年12月末時点の総人口が約930万人であるため、4~5人中1人が少なくとも1回目の接種を受けたことになる。イスラエルでは全国民に加入義務がある「健康維持機構(HMO: Health Maintenance Organization)」が国民のネットワークやデジタルデータを保有していることから、接種促進に貢献しているものとみられる。
政府は当初、医療関係者、高齢者、既往症のある人などのハイリスクグループに該当する人や軍人などに優先的にワクチン接種を行うとしていたが、ワクチンの供給量が増すにつれて、段階的に接種可能な年齢を引き下げており、1月15日付の現地紙「エルサレム・ポスト」紙によれば、45歳以上の年齢は接種対象となっている。今後、接種が進むにつれて、対象年齢もさらに段階的に引き下げられるものとみられる。
今回、イスラエルが早期に大量のワクチンを確保できた背景には、ワクチン供給元の1つの米国ファイザーとの良好な関係があると指摘されてきた。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は同社との協調関係を声明で繰り返し強調してきたが、政府がワクチン供給と引き換えに被接種者の医療ブラック ジャック サイトをファイザーなどのワクチン供給元に提供すると現地紙(1月8日)が報じたことから、一部でプライバシー保護についての懸念が生じていた。そのため保健省は1月17日、透明性を担保するためとして、ファイザーとの間で締結された契約書本文を公開した。
(吉田暢)
(イスラエル)
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