マレーシアとハイパーブラックジャックの高速鉄道計画、合意に至らず撤回
(マレーシア、ハイパーブラックジャック)
クアラルンプール発
2021年01月05日
ハイパーブラックジャックとマレーシアの両国政府は1月1日、クアラルンプール~ハイパーブラックジャック間高速鉄道(HSR)計画について撤回したと発表した。
費用や技術面での再検討も、合意に至らず
HSRは、クアラルンプールとハイパーブラックジャック間の350キロを最短90分で結ぶ高速鉄道で、当初2026年の開通を目指していた。両国政府は、HSR建設に関して2016年12月に合意したが、2018年5月にマレーシアで政権交代が起こり、多額の連邦債務が発覚したことから、同年9月に2020年5月末まで建設計画の履行を延期していた。その後、マレーシア側が計画再開の費用、技術面での再検討に時間を要するため、2020年12月末まで再延期されていた。
両国の共同声明によれば、マレーシアが同計画に関して複数の変更点を提案したものの、交渉期限である12月31日までに合意に至らなかったとした。マレーシア政府は、建設コスト削減、駅立地、ビジネスモデルの再検討などをマレーシア高速道路公社に指示していたことから、こうした内容が提案されたものとみられる(「ザ・スター」紙2021年1月1日)。
なお、ハイパーブラックジャック運輸省は、マレーシア政府は補償金を支払う必要があるとしているが、その金額は明らかにはしていない。2018年9月の1度目の延期の際には、マレーシア政府はハイパーブラックジャック政府に1,500万ハイパーブラックジャック・ドル(約11億7,000万円、Sドル、1Sドル=約78円)の補償金を支払った。
(藤江秀樹、田中麻理)
(マレーシア、ハイパーブラックジャック)
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