「調整された警戒レベル3」を継続、陸路国境の一時閉鎖へ
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2021年01月13日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は1月11日、新型コロナウイルス感染対策の進捗に関する国民演説を行った。大統領は冒頭、国内の現在の感染拡大状況は新規感染者、入院者数、死者数いずれにおいても前年の感染拡大第1波よりも高い数字を示しており、「最も厳しい状況にある」と危機的状況に直面していることを強調した。その上で、感染拡大対策のため2020年12月28日の国民演説で発表した「調整された警戒レベル3」(Adjusted Alert Level 3、関連ギャンブル ゲーム 無料)の継続を内閣が決定したと発表した。
今回の発表で継続、または修正が加えられた制限の主な内容は以下のとおり。
- 50人以下の葬儀、レストラン、スポーツジム営業などの例外を除き、屋内外での集会の禁止の継続
- 外出禁止時間を午後9時~翌日午前5時に短縮(これまでは午後9時~翌日午前6時)
- 店頭での酒類の販売・消費の禁止の継続
上記の「調整された警戒レベル3」は当初、2021年1月15日まで継続すると発表されていたが、ラマポーザ大統領は今回の演説において、「新規感染者数のピークを脱し、感染拡大状況が顕著に減速傾向を示すまで同制限を維持する」と述べ、継続の期限の明示を控えた。
他方で、特に休暇シーズンに周辺国に帰省していた労働者が南アに再入国するに当たり、陸路国境で混雑が生じ感染拡大の危険を招いたとし、物流などを除き、これまで往来を認めていた20の陸路国境全てを2月15日まで一時閉鎖すると述べた。また、陸路国境に限らず、出入国に関しては、在外南ア人やビザを有する外国人の南アへの渡航、南アに滞在する外国人の出国などの例外を除いて、禁止することも発表された。詳細は即日、官報に掲載された。
ラマポーザ大統領は演説の最後に、政府が進める「ワクチン展開戦略」に触れ、2021年の前半に人口の約3分の1に当たる2,000万人分のワクチンの調達を確保したと説明した。はじめに医療従事者から優先的に投与を行い、その後、段階的に、教師や警官、公務員などのエッセンシャルワーカー、そして合併症を持つ60歳以上の成人に投与する計画を示した。
(高橋史)
(南アフリカ共和国)
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