三菱重工、クリーン燃料を生成する革新的技術を持つ米インフィニウムに出資
(米国)
ヒューストン発
2021年01月28日
三菱重工業は1月27日、米国統括拠点である米国三菱重工を通じて、二酸化炭素(CO2)と再生可能エネルギーからクリーン燃料を生成する革新的技術を持つ、米国インフィニウム(本社:カリフォルニア州サクラメント)への出資を発表した。交通・輸送部門におけるCO2の排出削減の要請に応えられる技術として注目した。
インフィニウムは、再生可能エネルギー由来電力を利用した水電解技術で製造されるグリーン水素とCO2を合成することにより、クリーン液体燃料「エレクトロフューエル(Electrofuels)」を生成する革新的な技術を有している。電力源に再生可能エネルギーを利用することで、CO2の排出と吸収を同じにするカーボンニュートラルを可能にする。三菱重工グループが取り組むエナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)事業の一環で、インフィニウムの技術をCO2回収・利用およびグリーン水素生成・利用の展開の強化・多様化につなげていくことを狙いとしている。
米国三菱重工の白岩良浩社長は、今回の出資について「世界的なカーボンニュートラルの目標を達成するためのソリューションの探求が重要になっている。私たちは、この分野をリードする今回の共同出資者とも協力することにより、インフィニウムの取り組みを推進していけると確信している」と述べている。三菱重工のほか、米国のアマゾン、英国の投資ファンドであるAPベンチャーズなども出資に参加している。
世界におけるCO2排出の約4分の1を占める、交通・輸送部門における排出量の削減が大きな課題となっており、低炭素の代替輸送手段に対する期待が高まっている。インフィニウムのエレクトロフューエルを航空機や船舶、トラックなどのクリーン液体燃料として利用すれば、輸送時におけるCO2の排出を削減することが可能となる。
(沖本憲司)
(米国)
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