ロシア全土を対象としたEビザの適用を延期

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2021年01月13日

ロシア外務省領事部は、2021年初から始まる予定だった、ロシア全土を対象とした電子ビザ(Eビザ、注)の適用の延期を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の防止と国民の健康の保護が理由。再開の時期は連邦政府が決定する。

外務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますには公表日が明記されていないが、ロシアの各メディアは1月12日に報道している。ロシアでは2017年以降、極東地域、カリーニングラード州、サンクトペテルブルク市およびレニングラード州を対象に、国外からの入域に際してEビザによる入国を可能にする制度が導入されていた。これを2021年1月1日からロシア全土に拡大する連邦法が2020年7月に制定されていた(関連ブラック ジャック ブラック)。対象となる国籍者は日本を含む52カ国・地域とされている。

今回の発表を受けて、ロシアの観光業界からは落胆の声があがっている。ロシア観光業連盟会長のアンドレイ・イグナチエフ氏は、Eビザの申請停止を非常に残念とし、「国内の観光市場の30%を占めるインバウンド産業は1年近く機能していない。新型コロナウイルスの感染状況が比較的軽度な国・地域からの観光客に対してEビザを発給し、外国人を誘致することが(観光業の維持のために)極めて重要だ」と語った(「インターファクス通信」1月12日)。

(注)渡航前にインターネットで申請・取得することが可能な査証のこと。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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