バイデン氏、米商務長官候補にロードアイランド州知事のレモンド氏指名
(米国)
ニューヨーク発
2021年01月12日
米国のジョー・バイデン次期大統領は1月7日、商務長官をはじめとする次期政権の要職人事案を発表し、翌8日に記者会見を行った。商務長官に現ロードアイランド州知事のジーナ・レモンド氏(民主党)を指名したほか、労働長官、中小企業庁(SBA)長官、商務副長官の候補を発表した。
商務省は対米投資誘致や米企業の輸出促進といった産業政策を担い、トランプ政権下では輸出管理政策の厳格化や、1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品輸入に対する追加関税発動の指揮など、通商に大きな影響を与える政策を導入してきた。レモンド氏にはこれら政策分野での手腕も問われる。同氏はベンチャーキャピタリストを経て、ロードアイランド州の財務長官を務めた経験を持つ。2015年から州知事を務めており、民主党では中道穏健派とされている。
米メディアによると、バイデン氏は商務長官候補に著名な経営者や共和党の人物も検討していたとされるが、49歳と若く民主党にとって将来有望で、官民双方での経験を有する人物を選んだことになる(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版1月7日)。レモンド氏は記者会見でバイデン氏が掲げる経済政策に触れつつ、「製造業を復興させ、外国から米国に雇用を戻す。全てのコミュニティーの勤勉な米国の労働者が次の米国の物語を描けるよう、次期正副大統領のビジョンを実現する助けとなるべく、国レベルで働けることを楽しみにしている」と意気込みを示した。
バイデン氏はこのほか、労働長官候補にマサチューセッツ州ボストン市長のマーティ・ウォルシュ氏、SBA長官候補にカリフォルニア州ビジネス経済開発局の中小企業担当責任者のイザベル・グスマン氏、商務副長官候補にオバマ政権時にバイデン氏(当時・副大統領)の側近を務めたドン・グレイブス氏を指名した(添付資料表参照)。今回の発表により、バイデン氏は全ての閣僚候補の指名を完了したことになる。
(磯部真一)
(米国)
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