タイ企業チャロン・ポカパン、東南アジア最大の鶏肉加工場をベトナムで稼働

(ベトナム、タイ)

ホーチミン発

2021年01月04日

タイ大手複合企業チャロン・ポカパン(CP)グループのベトナム法人CPVフード(注)は12月23日、ベトナム南部ビンフォック省の工業団地(ベカメックス ビンフォック工業複合都市)で、鶏肉の食品加工を行う複合施設の開所式典を行った。ベトナム政府からチュオン・ホア・ビン副首相、グエン・スアン・クオン農業農村開発相、グエン・チー・ズン計画投資相、グエン・バン・ロイ党中央委員・ビンフォック省書記らが出席した。

CPVフードのモントリ・スワンポスリ社長によると、この複合施設は鶏肉加工場として東南アジア最大の規模(総投資額2億5,000万ドル、敷地面積10ヘクタール超)だ。運営計画の概要は以下のとおり。

  • 第1フェーズ(現在から2023年):年間5,000万羽、11万6,000トン。55%は輸出、45%は国内販売。
  • 第2フェーズ(2023年以降):生産能力を倍増、年間1億羽(ベトナム総生産の2割)。
  • 輸出品目は鶏肉の加工食品(蒸し物、揚げ物、焼き物)が主体、輸出先は日本(45%)、EU(35%)、その他アジア(10%)、中東(10%)。輸出額は第1フェーズ1億ドル、第2フェーズ2億ドルを想定。
  • 飼料製造、ふ化、ブロイラー育成、食肉処理・加工、廃棄物処理など一連の作業が全て工場内で収まる完全閉鎖モデルを採用。インダストリー4.0、人工知能(AI)、ビッグデータなど最先端の技術を駆使。飼料の原材料調達から加工食品の販売に至るまで、サプライチェーン全工程を通じ100%のトレーサビリティーを確保する。

スワンポスリ社長は式典で「CPグループがベトナムに投資してから25年以上が経過した。その間、ベトナム政府は食品産業の国際標準レベルの生産と輸出拡大を政策目標としてきたと理解している。CPVフードは加工食品の輸出を通じて、ベトナムが世界的な食品ブランドの輸出大国に仲間入りできるよう貢献する」と抱負を述べた。

写真 開所式典の様子(ジェトロ撮影)

開所式典の様子(ジェトロ撮影)

(注)CPVフードは、南部ドンナイ省所在のCP Vietnam Livestock Joint Stock Company(CPV)の子会社。

(比良井慎司)

(ベトナム、タイ)

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