第3四半期のGDP成長率は前期比11.4%の大幅回復

(ベルギー)

ブリュッセル発

2020年12月09日

ベルギー国立銀行は11月30日、ベルギーの2020年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前期比で11.4%(季節調整済み)、前年同期比ではマイナス4.5%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料表参照)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、歴史的なマイナス成長となった前期(前期比でマイナス11.8%)から大幅に回復したものの、依然として「新型コロナ危機」前の水準には戻っていない。

第3四半期のGDP成長率を前期比で需要項目別にみると、内需は、前例のない落ち込みを示した前期から大幅に回復した。民間最終消費支出は、耐久消費財(39.0%増)だけでなく、旅行を含む非耐久消費財(14.2%増)の支出も増加し、16.4%増となった。政府最終消費支出も8.3%増と大きく回復した。国内総固定資本形成は10.7%増で、そのうち、民間住宅投資や民間企業設備投資はそれぞれ15.8%増、7.3%増だった。財貨・サービスの輸出と輸入も、それぞれ13.3%増、14.3%増と大きく回復した。輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため、財貨・サービスの純輸出はGDP成長率を0.6ポイント押し下げた。

前期比で産業別にみると、付加価値ベースで、サービス業が10.4%増(寄与度:7.3ポイント)となり、中でも、卸・小売業、車両メンテナンス、運輸・倉庫、宿泊・飲食業が牽引した。また、製造業が11.6%増(1.7ポイント)、建設業が18.9%増(0.9ポイント)となった。

第2波の影響は限定的だが先行きは暗い

ベルギー国立銀行が11月17日に発表した企業の経営状況に関するアンケート調査によると、10月初旬から段階的に導入された新型コロナウイルス感染症拡大の第2波防止のための規制の再強化は、主に宿泊・飲食業、卸・小売業、不動産業、芸術・イベント産業の売上高に影響を及ぼすものの、第1波の3月と4月のロックダウンの際よりは経営に与える影響は限定的だとした。一方で、2021年の雇用や企業投資は縮小する見通しで、また、中小企業を中心に倒産件数も増加すると予測されることなどから、2021年の企業の経営見通しは暗くなっているとした。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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