イスラエル、新型コロナ感染増加で3回目のロックダウンへ
(イスラエル)
テルアビブ発
2020年12月25日
イスラエル首相府と保健省は12月23日、新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、27日午後5時から全土でロックダウン措置を取ることを閣議決定したと発表した。22日時点での1日当たりの新規感染者数は3,805人となり、前週15日(2,867人)、前々週8日(1,755人)から大幅に増加している。同措置は、今回の決定に基づいて保健省が作成する細則が別途閣議で承認された後に施行される見込み。3月と9月に続き、3回目のロックダウンとなる。
ロックダウンの概要は以下のとおり。
○期間:12月27日午後5時から2週間。ただし、感染状況が改善しない場合はさらに2週間の延長もあり得る。感染状況を評価する指標は、R値(実効再生産数、注)が1.0以下で、1日当たりの新規感染者数が1,000人以下。
○行動制限は以下のとおり。
- 自宅から1キロ以上の移動を禁止(ただし、以下に示す例外事項やワクチン接種のための移動を除く)
- 他者の住居などへの訪問を禁止(ただし核家族を除く)
- 商業施設およびレクリエーション施設は全て営業停止(配達を除くが、店頭での引き取りは禁止)
- 事業所は接客を伴わないものについてのみ通常の50%の稼働率での操業を許可
- 公共交通機関は通常の50%の稼働率で運行
- 集会は屋内10人以下、屋外20人以下まで許可
- 「グリーンアイランド(事前のPCR検査・陰性証明取得により死海沿岸・エイラットへの観光旅行・滞在を認める制度)」の停止
- 個人の運動は距離制限なしで許可されるが、車両の使用は認めず、自宅と目的地の間を直行直帰すること
- 教育システムは、幼稚園、1年生~4年生および11年生~12年生は午前8時から午後1時まで開校(保護者は午前7時から午後2時まで子供の送迎のための車両運転が可能)。ただし、全ての学齢において特別教育については上記措置の対象外
- 共同親権にある子供は両親間の移動を許可
イスラエルにおいては、1回目、2回目のロックダウン施行後に感染状況の大幅な改善がみられているため、12月27日から開始すると報道されているワクチン接種と併せて、この機に感染状況を大きく改善しようとする政府の意向があるとみられる。
(注)1人の感染者が何人に感染させるかを表す数値。1.0超は「新規感染者数増加」、1.0は「同横ばい」、1.0未満は「同減少」を示す。
(吉田暢)
(イスラエル)
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